冨嶽三十六景 青山円座松

富嶽三十六景

冨嶽三十六景 青山円座松(あおやまえんざまつ)
東京都渋谷区神宮前・龍巌禅寺
木版多色刷
天保元−天保3年(1830-32)頃

円座松は、松並木の中で育ったことから、根元が複数に分かれ、その中に座るように幹が伸びる形をしています。また、太い幹や枝は、多くの苔や蔓がからまり、風情のある姿を見せています。

円座松とは現在の渋谷区神宮前にある龍岩寺の庭に丸く生い繁った笠松のことです。
画の中の様子は宴を開く人がいれば、松葉の中で掃除しているのでしょうか足が見えます。
北斎は築山の上から富士を眺め富士を遠望できるように画がいています。
富士のシャープな三角と笠松の丸い形が印象的です。

青山円座松塗り絵 PDF A4サイズ 青山円座松 

現在の青山円座松(神宮前)の風景

新宿御苑
信濃高藤藩主内藤清成(ないとうきよなり)の屋敷跡とその隣接地に造られた庭園で国民公園の一つとして長年愛されています。
明治初期には、近代農園の振興を目的とした、農業試験場でもありました。

鳩森八幡神社(はとのもりはちまんじんじゃ)
築山富士がある神社で江戸名所図会にも描かれています。
創建は古く、平安時代の860年(貞観2年)で慈覚大師(円仁)が祠(ほこら)に応神天皇と神功皇后の像を造って祀ったのが始まりと言われています。

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